最低の側の最高
やめときな、あの人は
幾度となく聞いていたこのセリフだし、幾度となく友達に伝えたセリフでもある
世の中たくさんの人がたくさんのお面を被って生きていて、それに気づかず騙されることも沢山あったりする
そうでなくても、もうこの人と関わらない方がいいことは知っていても尚関係が切れないということもある
側からみたら彼は最低最悪な人種だと思う
実際、少なくともまともな人じゃない
だけど
その最悪な彼の隣で私は勝手に最高になれた
それが全てだ
それ以上もそれ以下もなく
ただ私は勝手に最高だった
幸せだった
でもどれもこれも過去形で、その時は幸せだった
その瞬間は最高だった
だけど、ただそれだけじゃ満足できなくなった
側にいるだけより、その先が欲しくなった
わがままが心の奥からじわじわ侵食してきて、いつのまにかただ側の最高を最高と感じなくなってた
だから私は離れただけで、
あくまでも、私は
最低な彼の側が最高だったんだ
ただその隣が
私にとっての特等席で、
彼が最低だと言われようとも
勝手に私は幸せでした